著:白螺
2008.10.18

雨が降る

灰色が空を覆って
透明な雫が落ちてくる

木々を濡らして
土を濡らして

遥かな高みから雨は落ちる

涙のように

誰にも止めることはできない
誰もその悲しみを共有できないから

誰にも理解することは出来ない
誰もそのことを知らないから

だから涙は止まらない

伝って落ちて渇いても
悲しみは誰にも癒やせない
誰もそれを悲しいと感じないから

誰も本当の空を知らないから